自然に触れると子供の学力があがる!5つの科学的根拠
前回のブログ(http://tomohirohoshi.com/?p=1607)では、ワーキングメモリーとは何か。また、容量が少なく、鍛えることができないということについて解説してきました。
今回は、その限られたワーキングメモリーをいかにうまく使って、勉強に以下していくかについてお話ししていきたいと思います。
前回と今回のブログは、昨年夏に出版された私の著作「脳科学が明かした!最強の勉強法」(https://amzn.to/3FWWwYo)からのハイライトになります。
ワーキングメモリーやその他の勉強法や脳科学研究についてさらに詳しく説明しているので、今回のブログよりさらに詳しいことや効率的なワーキングメモリーの活かし方を知りたい方は、ぜひ手に取っていただければ幸いです。
ワーキングメモリーのパンクに要注意!5つの負担要因
私たちのワーキングメモリーは限られているので、負担がかかりやすい環境があるならば、十分に意識して学習して行かなくては行けません。
ことに注意すべきなのが、以下の5つの負担要因です。
【目新しさ】慣れ親しんだ題材よりも、目新しいものを学ぶ時にはワーキングメモリーに負荷がかかります。
【ランダム】「1234567」は意識しやすくても、「2948612」は同じ桁数なのに格段に意識しにくい。
【組み合わせ】「2×3」が暗算でできても、「222×333」を頭でやるのは大変ですね。
【手順】これをやってから、あれをして、そうなったら、こうする、というように、手順や段階を踏むような物事の理解は、ワーキンングメモリーに負荷が高い。理科の実験や、数学の証明は代表格。
【選択】「あっちかこっち、そっちもどれも」などと可能性が絞り切れないよりも、「これ!」ときめて単純にしたほうが格段に考えやすかったりしますね。
これらの負荷要素に注意して自分の学びを組み立てていくのが大切です。
自分が学んでいる題材が、とても難しく自分の能力のキャパシティーを超えていると感じる時があっても、実は能力の問題ではないかもしれないのです。
単に人間誰にとっても少ないワーキングメモリーに過剰な負荷がかかってしまっているだけかもしれません。
丁寧に負荷因子をとりのぞければ、簡単に理解できるかもしれません。
ワーキングメモリーの限界を知るだけで頭が良くなる!?
そして、ここまで読んでいただいた皆さんに朗報です!
こうしたワーキングメモリーの限界を知っておくこと自体で、学習効果が上がるんです。
誰しもが、ワーキングメモリーに限界があって気をつけて学ばねばならい。
自分の悩みはみんなと同じ「標準」的なもの。そう理解すると、無駄なプレッシャーから解放されて学習効果が上がる。
幅広い世代で、そうした「悩みの標準化」の効果が確認されています。
つまり、今みなさんにワーキングメモリーの限界の理解を共有していただいただけで、皆さんの学習効果向上につながっているんです!
ワーキングメモリーの最大活用法
さてそれでは、ワーキングメモリーの負荷因子に気付いたときに、ワーキングメモリーの負荷をどのように分散させることができるか。
負荷因子があって難しいと感じたら、一気にものにしようとするのではなく、以下の点に注意しながら、少しづつ時間をかけて理解していくことに意識を集中させます。
【全体ざっくり】全体のイメージをざっくりと見渡す。「全部で6ステップあるな」とか、「Aの部分とBの部分が関係している」などざっくりと。
【パーツじっくり】全体を構成している一つ一つの「パーツ」を順番に徹底的に集中して学ぶ。他の部分との関係は出来るなら無視してよい。
【関係性チェック】【全体ざっくり】と【パーツじっくり】を繰り返す。いくつかのパーツを学んだら、それらの関係や全体との関係をおさらいする。
【例外後回し】ルールにも例外や特別な使い方があるときは、まずは気にしない。全体のコンセプトやルールをマスターしてからの後回しで学んでいく。
まずは【全体ざっくり】で大体の概要を把握してから、【パーツじっくり】の意識で一つ一つの部分をじっくり学んでいく。
部分を学びつつ全体像を確認するために【関係性チェック】を使う。そのことで、全体のイメージやパーツの理解が深まる。
【例外後回し】も重要です。例外や特例がある場合には、そういうものがあるということは一旦理解して、とりあえず放置してください。
文法の不規則変化や特別な計算法など、先に気を取られてはいけません。
まずは基本の部分を理解することに集中しないと、理解できるものもできなくなってしまいます。
テストなどでよく出てくるのはそういう例外や特別な場合だったりするので、すぐにそっちに目が向いてしまうこともあるでしょう。
しかし、基本のルールをマスターすることが長期的な学びにつながります。
目も耳も使って!
さらに、聴覚や視覚の効果を混ぜ合わせて学ぶと、ワーキングメモリーへの負荷が分散されることもわかっています。
聞いたり読んだりして学ぶときに、図解や映像を意識して組み合わせる。余裕があれば、イメージやコンセプトを書き留めて視覚化してみる。
ワーキングメモリーには聴覚や視覚、言語や空間理解の要素があるため、例えば、全て聞いている話だけで理解しようとせず、図や映像をいれて、視覚のチャンネルも使うことで、ワーキングメモリーへの負荷を分散することができ、学習効果が上がります。
だから、難しいと思ったら、学んでいることを図解したり、動画で説明したりしている教材をネットなどで探して、視覚や聴覚もいかしながら学べる方法を模索してみてください。
また、出来る範囲内で、理解しようとしていることを自分で図やイメージなどで書き出してみて、視覚化してみるのも効果的です。