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「ギフテッド=天才」ではない? よくある3つの誤解を一気に解消!

教育

このブログで何回か「ギフテッド」(gifted)のことについて触れてきました。

ザクッというと、授かった「ギフト」(gift)、つまり、「才能」をもつ子供たちのことです。

ギフテッドの子供たちに対する「ギフテッド教育」とはなにかということや、

ギフテッドな子供たちの才能が潰されてしまいかねない理由について議論してきました。

過去ブログは以下よりご覧いただけます。

天才児はどのような教育を受けるのか?「ギフテッド教育」を徹底解説

なぜ、天才(ギフテッド)の才能は潰されてしまうのか?

日本でも、これまでよりは「ギフテッド」や「ギフテッド教育」という言葉を目にすることが増えてきたように思いますが、まだまだ、コンセプトとしていまいちよく理解されていないような気がします。

日本に限らず、本場のアメリカでもよくあることなのですが、「ギフテッド」のコンセプトに関して、いくつか大きな誤解があります。

今日はその中から私の独断と偏見で「トップ3」を厳選して、解説して誤解を説いていきたいと思います。

ギフテッド=天才?

まず、「ギフテッド」を、「天才児」と翻訳することがあります。

私自身も、以前のブログや他の記事などで、そうしたことがあります。

しかし、これはちょっとシズル感を出して、興味を引くように伝えたいという気持ちが強い翻訳だということは間違えありません。

かと言って、完全に間違えだということは言えません。

問題は、「ギフテッド」がより明確に定義されたコンセプトであるのに対し、「天才」という言葉は非常に曖昧な言葉だということにあります。

「ギフテッド」の定義は歴史とともに進化してきましたが、例えば、以前にも紹介したように、現在のアメリカの初等中等教育法では、

学問、芸術、リーダーシップなどを含む特定の分野で、高い達成能力が確認され、そうした能力を十分に発達させるには、平均的な学校で提供されていないサポートが必要である児童

と定義されています。もちろんこの定義も曖昧な部分があるわけですが、「天才」の定義はgoo国語辞典によると、

生まれつき備わっている、並外れてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人。

ということでより曖昧です。

「ギフテッド」を「天才」と訳したり、「ギフテッド教育」を「天才児のための教育」と理解するのは、間違いであると主張する人もいます。

しかし、本当のところは、「ギフテッド」がより正確に定義されたコンセプトであるのに対し、「天才」が曖昧な言葉なので、この2つのコンセプトが同じかどうかという疑問自体実はあまり意味をなさない、ということが言えると思います。

つまり、「天才」という言葉が曖昧すぎるので、その言葉で何を意味しているかをもう少し付け加えてもらわないと、「天才」が「ギフテッド」かどうかという疑問は、答えられないというわけです。

「ギフテッド=オール5」ではない?

クラスの「優等生」というと、どの科目も全部成績が良い生徒というようなイメージかと思います。

「ギフテッド」とか、「才能のある子供」というと、どの科目でも全て同じように秀でているような子供なのではないかと思われがちです。

しかし、決してそうではありません。むしろ逆です。

これまでの教育学やギフテッドの研究は、子供の才能はある特定の分野に特化するということが明らかにされてきました。

つまり、「ギフテッド」な子供は、必ずしも、全てができるオールラウンダーではないということです。

子供の才能がある特定の分野に特化するにもかかわらず、全教科で優秀な成績を収める「優等生」はどこのクラスにもいるように思われます。

しかし、これは、「ギフテッド」を超えた「スーパーギフテッド」というようなことではありません。

こうした「優等生」がしばしば見受けられることと、「ギフテッド」がある分野に特化していることは、矛盾したことでもなんでもありません。

「優等生」が全教科で成績がいいということは、これまで全ての教科でしっかりとしたトレーニングを積んできて、それぞれの教科での到達度が高いということを示しているに過ぎません。

この点は重要です。何故なら、成績の良し悪しは、それまでのトレーニングの積み重ねの結果で、現在その子供がどこまで到達しているかということの指標でしかありません。

つまり、現在の子供の成績が悪いとしても、その子が「ギフテッド」ではないということは言えないのです。

その子に才能があっても、適切なトレーンングをしてこなかったため、才能が開花していないという可能性も十分にあるのです。

実際、現在の「ギフテッド教育」制度はそうした見過ごされてきた「ギフテッド」な子供達の才能をどのように開花させるかということにも焦点が置かれているということもできます。

「ギフテッド」と「学習障害」の関係

ギフテッドな子供達のための教育である「ギフテッド教育」が、学習障害などをもった子供達のための教育と理解されることもしばしばあります。

ギフテッドな子供達の才能がある特定の分野に特化していることと、彼らがある特定の物事に異常なほどの執着を見せるということは無縁ではありません。

ギフテッドな子供達は、他の人たちよりもある一つのことに執着したり、熱中することで、通常期待される社交性や、自分の得意分野以外のスキルを身につけることが遅れてしまうことがあります。

そうしたことが、学習障害や社交性の欠如などの形などで現れることがしばしばあります。

そのため、そうした「ギフテッド」が故の問題を抱えた子供達をサポートしていくかというのも「ギフテッド教育」の一つの主軸となってきたことは間違いありません。

しかし、「ギフテッド教育」は、先ほどの「ギフテッド」の定義で見たような意味で「才能」を持った子供達のための教育です。

学習障害や、社交性の問題を持たないギフテッドの子供達も数多くいて、そうした子供達にとって「ギフテッド教育」は彼らの持つ才能をどのようにさらに引き出していく教育なのです。

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