2019年12月22日 21:11
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【なぜ、学び続けなくてはいけないのか?】「生涯学習」がもはや綺麗事ではすまない理由

哲学

私の運営するスタンフォード大学・オンラインハイスクールは、文字通りスタンフォード大学の一部であるにもかかわらず、私立の「独立型学校」として認可を受けています。

これは、英語で「Independent School」と言われる学校形態で、財政や意思決定のプロセスが他の団体から独立している私立の学校のことです。

例えば、教会や営利企業などが私立の学校を運営する場合がありますが、そうした場合はそれぞれの教会や会社に財政や意思決定を依存するので、独立型の私立学校にはなりません。

しかし、私たちのオンラインハイスクールは、スタンフォード大学というひとつの教育機関の中にあるわけで、それにもかかわらず、「独立型学校」であるというのは非常にユニークです。

さらに、オンラインハイスクールが学校としての認可を受けている「Western Association of Schools and Colleges」(WASC)は、スタンフォード大学自体も大学としての認可を受けている機関です。

大学の中にあるのに独立している、大学自体が認可を受けているがその一部も独立に認可を受けている。頭がこんがらがりそうですが、ユニークなのは確かです。私自身、アメリカで同様の例を知りません。

オンラインハイスクールと生涯学習

さて、スタンフォードの一部であるオンラインハイスクールですが、現在は、生涯学習領域に分類されています。

「生涯学習」というと、大学卒業後社会人になってからの学習や、さらに、退職してからの学習のことを指すのが普通です。

スタンフォードでは大学以前から大学後も含めて、文字通りの「生涯をとおして続けていく学び」をイメージしています。

だから、同じ生涯学習の領域に、社会人向けのプログラムと同列にオンラインハイスクールがあるわけです。

生涯学習の目的

これまで生涯学習というと、学びによって人間として心豊な生活を送るためのものとして提唱されてきたような印象を受けます。

仕事や生活に追われるだけでなく、知識や教養を身につけ視野を広げて、有意義な人生を生きていこう。

退職後に大学で学び直したり、地域の習い事教室に通ったりするのが生涯学習のメインストリームのイメージだったのではないでしょうか。

現に、日本の改正教育基本法第3条にも、「国民一人一人が,自己の人格を磨き,豊かな人生を送ることができるよう,その生涯にわたって,あらゆる機会に,あらゆる場所において学習することができ,その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」として、生涯学習の目的が基礎づけられています。

わたしはもちろん大賛成です。

しかし、一方で、人間として人格を磨いて豊かな人生を送るというのが、ちょっと理念的すぎるようにきこえてしまうのも自然だと思います。

今求められる生涯学習と目的の変化

生涯学習は昨今の教育トレンドでもメジャーなものの一つです。特に先進各国において、世界的にも生涯学習の必要性が認識されるようになりました。

そうした新しいトレンドとしての生涯教育における目的の焦点が少しづつシフトしてきたように感じます。

現代を生きる私たちは、急速に変動する社会の構造や価値観に適応するために常に新しいスキルを身につけたり、新しい価値観を通して世界を見ることを要求され続けています。

大学を卒業して、いい会社に入れば、終身いい生活が送れる。そんなイメージはもはや神話と化してしまいました。

若者たちは今日ない職業に向けてトレーニングしています。

今日の仕事が明日なくなって、すぐに違う仕事に取り組まなければならない。

そうした社会の中で生き抜いていくためには、常に新しいスキルや知識を身につけていくために、生涯学習が必要になってくるのです。

人材教育の需要の拡大

また、社会の変化の速度だけではなく、より多くの職業で長期間をかけて育成されなければならないような専門的な知識やスキルが必要とされるようになってきました。

AIやロボットに任せられるような仕事はどんどん減少し、より高度な知識や判断が必要とされる仕事が人間にまかせられる。

そうした社会で、よりスキルや知識の高いプロフェッショナルな人材が必要とされています。

激しく変わる社会の中で、さらに高度なスキルや知識が必要になる。大学を卒業しただけでは足りない。また次の瞬間に知識やスキルをアップグレードしなくてはいけない。

そうした中、アメリカのトップ企業などでは、企業の人材教育にも更なる注力が見られます。即戦力の人材を求める一方で、企業内に入ってからもスキルアップができるよう、会社の中でのトレーニングの充実や、学位取得などができる環境づくりが進んでいます。

優秀な人材をもとめながらも、入社した人材を優秀な人材に育てていくことが少子化や人材不足に悩む社会やマーケットで逼迫した課題となっています。

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