• HOME
  • 【まえがき全文公開!】スタンフォードが中高生に教えていること

【まえがき全文公開!】スタンフォードが中高生に教えていること

■『スタンフォードが中高生に教えていること』のご購入はこちら
→  https://amzn.asia/d/gNKhJBw

■ 今まで出版されている星友啓校長の「すべての著書」はこちらから
→  https://amzn.to/3BUvXDh

『スタンフォードが中高生に教えていること』

はじめに

世界で話題沸騰中!スタンフォード大学にある日本人校長のオンライン学校

■教育の常識はミライの教育の非常識!?

私はスタンフォード大学・オンラインハイスクールで校長をしています。
その名の通り、スタンフォード大学の一部でありながら「中高一貫」のオンライン学校で、全米および世界各国から、中学1年から高校3年までの生徒が在籍しています。
オンラインにもかかわらず全米トップ校として知られるこの学校で、世界中から集まった才能は、何を、どのようにして学んでいるのか。
最先端の教育の現場を通して、ミライの教育の風景を眺めていきましょう。
そうする中で、これまでの学習習慣に関する「恐ろしい8つの常識」と、今後取り入れていくべき「8つの正解TIPS」を詳しくお伝えしていきます。

以下の問いに興味がある方は本書を読み進めていただけると幸いです。
「今世界の最先端教育現場で何が行われているのか?」
「アメリカのトップ校で行われている教育とはどんなものか?」
「最新科学が出した効率的な学習法の正解とは何か?」
「子どもの才能を伸ばすにはどうしたらよいか?」
「現在の教育トレンドは何か? 教育のミライはどうなるのか?」

教育者だけでなく、子育て中の方々、また、学生の皆さんまで。
本書を読み進めていただけば、これらの問いの答えが見つかり、教え方、子育て、自分の学習方法に大きな差がつくはずです。

例えば、以下は、誰もがやっている、ごく自然な教育や学習の常識のリストです。
×成果や能力をほめる
×手取り足取り丁寧に教える
×評判の教材や勉強法で学ばせる
×得意な学習スタイルで学ばせる
×ストレスをさける
×テストで子どもの理解度や能力を測る
×同じ問題を反復練習させる
×勉強は静かに1人でやらせる

しかし、最新の科学はこれらはどれも見直すべきだと答えを出しました。
こうした常識にしたがっていると、子どもの向上心ややる気を削いでしまったり、記憶力や思考力が下がったり、得られるはずの学習効果が得られなくなってしまうのです。

これまでの教育の常識は、ミライの教育の非常識。
本書を読んでミライ型の学習にシフトしていきましょう!

■オンラインなのに全米トップの進学校
シリコンバレーのベイエリア。Apple、Google、Facebook、その他にも多くの有名IT企業の本地が軒を連ねています。
そのベイエリアの真ん中にあるスタンフォード大学で、最先端の教育とテクノロジーと取っ組み合いながら、世界各国の才能あふれる子どもたちの学びをサポートするのが私の仕事です。

スタンフォード大学・オンラインハイスクールは設立15年ほどの学校ですが、2020年3月には、ニューズウィーク「STEM教育に力を入れる高校ランキング2020」で全米3位に選ばれました。また、Nicheというアメリカで大注目の学校ランキングでは、この5年全米トップ10の常連、2020年にはアメリカの進学校(College Prep Schools)として1位に輝きました。
その他のメジャーな学校ランキングでも全米トップ校として選出されていますが、上位に伝統校がひしめく中、まだまだ「若輩者」の学校が、オンラインであるにもかかわらず、全米のトップ校として認知されるようになったのはありがたいことです。
そうした高評価は、もちろん、卒業生の頑張りが大きく影響しています。
スタンフォードはもちろん、ハーバード、プリンストンなどのIvy Leagueの名門大学への合格実績は米国トップレベルです。大学卒業後、研究者や起業家の道を志す卒業生も数多くいます。

■子どもの「生き抜く力」を育むミライ型の教育
振り返れば、スタンフォード大学・オンラインハイスクールが今のような評価を得るようになるまでの道のりは、決して楽なものではありませんでした。
2000年代から、大学や社会人教育を中心に、オンライン教育が爆発的な広がりを見せましたが、すぐに修了率の低さが問題視されるようになります。
さらに、オンラインでは社会性や感情の学習をサポートすることができないとして、オンライン教育の中高生向けの応用に懐疑的な視線が向けられます。
そうした状況で高校創立当初から、かなりの強い逆風に煽られながら、学校づくりをしていかねばなりませんでした。

しかし、私自身、その逆風はオンライン教育の問題の本質をついていると感じていました。それゆえ、回避すべきものではないと考え、真正面からぶつかっていく選択をしたのです。
これまでのやり方を踏襲しながら小手先だけでうまくやり、「学校っぽい」雰囲気のオンラインプログラムを作っても、世に認められることはないだろう。
それならば、従来の学校よりも学校らしいオンライン学校を作ろう。それにはどうするか?

オンライン教育そのものの常識はもちろん、それまでの教育の伝統にもメスをいれるような大改革が必要だと考えました。
そのためスタンフォード大学・オンラインハイスクールの学校づくりの軌跡は既存のやり方への挑戦の連続となったのです。
まずは何より先に、最重要プライオリティーに、子どもたちが社会で「生き抜く力」を育むことを目標に設定しました。
その上で、生徒たちが豊かな関係性の中で学んでいけるように、オンラインでのコミュニティーづくりを学校デザインの中心に据えます。
さらに社会性と感情の学習(Social and Emotional Learning)や、体も心も含めた多面的な視点で健康や幸せを見つめ直す「ウェルネス」のプログラムを導入してきました。
そうした学校づくりを進めていく上で、「講義ベースの授業」「学年」「カリキュラム」「時間割」「放課後」「テスト」「順位付け・偏差値」など、これまであった「学校の定番」といえるような仕組みも、必要なかぎりどんどん見直していったのです。
ごくありふれた学校の風景をガラッと変えることを躊躇せずにやってきたのです。

■哲学が今だから必要な理由
さらに、卒業必修科目を「哲学」に設定したことも、子どもたちがこれからの世界を「生き抜く力」を育む教育と深く関連しています。
中等教育でさまざまな分野の知識に触れていこうとする子どもたち。その中で既存の知識や枠組みに適応することはいうまでもなく重要なことです。
しかし、予測不能で急速な変化をとげる社会の中で必要な「生き抜く力」の鍵は、現在行われているゲームを上手にプレーする力だけではありません。
次々に生まれる新しいゲームに適応できる力。さらには、新たなゲームを自分自身で作り出す「ゲームチェンジの力」が大切なのです。
それでは、その「ゲームチェンジの力」を磨くにはどうしたら良いのか?
私たちの出した答えは、ズバリ、「哲学」です。
哲学の本質は既存の常識やものの見方の枠組みを改めて問い直し、そこから新たな考えや価値を生み出す心の営み。まさに「ゲームチェンジの力」の源なのです。
今の時代を生きる子どもたち、とりわけ中高生は、そうした心の習慣をしっかりと身につけていく必要があります。

こうした考えに基づいて、スタンフォード大学・オンラインハイスクールでは、どの生徒も毎年通年の哲学コースを修めないと卒業できない仕組みをつくりました。
これは、先ほど紹介した「STEM教育全米3位」という評価と不釣り合いに思えるかもしれません。しかし、卒業必修の哲学プログラムこそ、スタンフォード大学・オンラインハイスクールが求めてきたミライ型の教育の中心部です。
理系や文系といった一定の区分けに収まらず分野横断的な精神を養いながら、子どもの社会を「生き抜く力」を育む。豊かなリベラルアーツ教育を実現するために、哲学を軸にしたさまざまな分野を見渡せるようなカリキュラムを発展させてきました。
おかげさまで、この哲学必修は生徒や保護者から非常に評価が高く、アメリカ国内でも注目をいただいてきました。
「科学者の道を選んだが、高校での哲学が科学者としての成功の鍵だった」
そんな嬉しい声も卒業生からしばしば聞かれるようになりました。

■〝教えることアレルギーの論理学者〟だからできたこと
さて、私がなぜスタンフォード大学・オンラインハイスクールのスタートアップに加わって、これまでの教育の定番を取っ払う大胆な学校づくりをしてきたのか。それには私が「教えることアレルギー」だったことがディープに関係しています。

学校のスタートアップ計画が始まった当初、私は、スタンフォード大学哲学科の博士課程にいました。すでに博士論文を書き終えて、博士課程最後の年をどのように過ごそうかと考えていた時です。
そんな中、大学院の友人の紹介でスタンフォード大学・オンラインハイスクールの立ち上げに関わることになりました。

しかし、これは自分のキャラクターから、かなり外れた行動でした。当時の私は、すでにスタンフォード大学で大学生や大学院生に論理学を講義していましたが、教えることに結構な苦手意識を感じていたのです。
スタンフォードの学生たちは、誰が教えるかに関係なく、自分でどんどん学んでいけるので、自分が教えることの意義が感じられない。
そのくせ、自分が教えようとすることがすぐに理解されない場合には、イライラして生徒の理解の悪さを嘆く。
その頃の私は、教えることに価値を見いだせず、自己矛盾と戦っていたのです。
ましてや、中高生を教えるとなれば話は別次元。「大人」に礼儀正しく振る舞う大学生たちの授業では起こり得ないような問題が起きないか?

しかし、実際に教え始めると、そんな心配は一切無用だったのです。
昨日までは哲学に触れたこともなかった生徒たちが、あっという間に頼もしく哲学討論をしている。私でも生徒の知的成長に貢献できたのではないか。
高校生の劇的な変化。「アレルギー」どころか、教えることに情熱さえ感じ始めていたのです。
気がつけば、翌年には、すでに決まっていたオランダの大学での研究職を放り投げて、オンラインハイスクールの教員として高校のスタートアップに全力投球することになっていました。

さて、その後の私が教育のキャリアを進んでいく中でもっとも貴重な宝となったのは、その「教えることアレルギー」だったのではないかと考えています。
世の中には生まれながらに教育が天職であるような素晴らしい先生方がいます。そういう人たちが持っている自然な直感が、残念ながら私にはありませんでした。
そのため、当たり前の教え方でも、意識的にじっくりと分析し、考え、練習していかなければいけなかったのです。
これまでの教育の方法を自明なものと見なさず、自分なりの仮説を立てて、いろいろと試行錯誤を重ねていきました。
まさに自分の中で「哲学の力」と「教えることアレルギー」がうまく融合してくれた結果、これまでの教育の常識を見直しながら、新しいミライの教育に向かっていくエネルギーを持つことができたのです。

スタンフォードが中高生に教えていること。
これまでの常識が急速に塗り替えられています。教育も例外ではありません。
本書では、最新科学が答えを出した効果絶大の学習法や、世界の最新教育トレンドをご紹介していきます。具体例として、スタンフォード大学・オンラインハイスクールの教育プログラムや学校改革も一挙公開です。
世界の教育トレンドの最前線から、教育のミライを展望していきましょう!

まずは、これまでの教育の常識を最新科学で一刀両断です。
当たり前の教育の常識がとっても危険なのは一体なぜでしょうか?
「序章」からお読みください。

目次

はじめに

世界で話題沸騰中! スタンフォード大学にある日本人校長のオンライン学校
教育の常識はミライの教育の非常識!?
オンラインなのに全米トップの進学校
子どもの「生き抜く力」を育むミライ型の教育
哲学が今だから必要な理由
〝教えることアレルギーの論理学者〟だからできたこと

序章 その教え方が子どもをダメにする——恐ろしい8つの常識

常識1「成果や能力をほめる」→逆に向上心が下がってしまう
 正しくほめるための秘訣
常識2「手取り足取り丁寧に教える」→学びが浅くなり、探究心が削がれる
 教えることの危険性
常識3「評判の教材や勉強法で学ばせる」→才能もやる気も潰してしまいがち
 子どもと学習法のフィット感
常識4「得意な学習スタイルで学ばせる」→脳科学に反する行為で記憶が定着しにくい
常識5「ストレスをさける」→人間のDNAに逆らって余計ストレスの悪影響が出る
 「ストレスの正しい利用法」
常識6「テストで理解度や能力を測る」→最高の学びのチャンスを逃してしまう
 テストが最強の学習ツールである理由
常識7「同じ問題を反復練習させる」→スピードが上がっても思考力は下がる
 考える力をつける計算問題の解き方
常識8「勉強は静かに一人でやらせる」→脳の半分は「休止状態」のまま
 コラボと学習のディープな関係

第1章 学校の定番をとっぱらう

授業——学びのハードルが高すぎる
学年——不公平な公平を生み出すシステム
カリキュラム——無理やりみんな同じことを学ぶのは不合理すぎる
時間割——子どもそれぞれの生き方をしばりつけない
放課後——オンライン学校でも課外活動ができるように
テスト——評価のためのテストでは意味がない
順位付け・偏差値——他人との比較から本当の学びは生まれない 

第2章なぜオンライン学校が全米トップになれたのか?

世界初オンラインの「反転授業」とは?
柔軟なスケジュールと参加型のセミナーの合わせ技
子どもの才能を伸ばす「ギフテッド教育」の秘密
情熱とやる気を感染させる教育熱心な博士たち
活気ある学校コミュニティーをオンラインでつくる秘訣
世界に一つだけ。究極のグローバル教室とは?
オンラインだからこそ生徒指導は普通の3倍手厚く
日本とアメリカの大学受験の違いとは?
ハーバード、スタンフォードに合格するために絶対必要なこと

第3章スタンフォード大学で実現した「生き抜く力」の育て方

リベラルアーツとSTEM教育の極上ミックス
哲学でゲームチェンジャーを育てる
全米でも珍しい必修の哲学カリキュラム
メンタルが強くて健康な子どもが育つウェルネス授業
社会を「生き抜く力」を育むソーシャル・エモーショナル学習
「やればできる!」が肝心な理由
成長マインドセットを育む方法

第4章 子どもの才能の伸ばし方——8つの正解TIPS

 TIPS1:教育でなくて学育を——学ぶ側の子どもたちに焦点をシフトさせる
「学育」と「教育」のベストミックス
TIPS2:ステレオタイプの脅威に気を付ける
 レッテル貼りを回避すべき理由
TIPS3:間違えに萎縮しない力を育てる
 子どもが間違えた時の声かけのコツ
TIPS4:子ども自身が話して、決めて、考える機会をたくさんもうける
 自分で決めて考えられる子どもになる環境づくり
TIPS5:いろんな学び方で学ばせる
 学び方の学び方
TIPS6:「目標設定」と「自己評価」で効果的な学びをサポート
 短期をベースに長期の目標にシフトする方法
TIPS7:自分がロールモデルであることを忘れない
 哲学的ロールモデルで変わるためのレシピ
TIPS8:子どもは自分で育てず、社会の多様性に育ててもらう
 ホームベースを心のセーフティーネットに!

第5章 世界の教育メジャートレンド

一人ひとりに合わせたオーダーメードの学び——パーソナライズド・ラーニング
これまでの教育とのフュージョンが大事
学びは能動的に作り上げるもの——アクティブ・ラーニング
アクティブ・ラーニングが成績も上げる
教科書がなくなる日が来る——プロジェクト・ベースド・ラーニング
PBLでミライのスキルを手に入れる
学習法の科学的見解が明らかに——学びの科学
学びの科学のスゴイ結果リスト
手のひらサイズの教室——EdTechとオンライン教育
テクノロジーが変えた学校の風景
教育は自分でデザインするものに——ディストリビューテッド・ラーニング
教育がディスラプトされてはいけない理由

第6章 教育のミライ

トレンドのすぐ先にある学校のミライ
学校の多様化——校舎なし、週の半分休み、多国籍キャンパス
意外な学校コミュニティーの再活性化論
先生のコーチング力が問われ、ギグワークが当たり前に
子どもの主体性がますます問われる
人工知能はどこまで教育を変えるのか?
VRで本当にくるEdTechのミライ
ハーバードがハリウッド化?「エンタメ化」の進む大学教育
ゲームと学習がタッグを組む日
会社の中で学位が取れる生涯学習のミライ
マイクロ化する学歴の行く末
オンライン教育が黒板並みに当たり前になる時

あとがき

 

 

▼書籍『スタンフォードが中高生に教えていること』のご購入は以下より!