【現場レポート】全米アメリカ大学入試カウンセリング学会「NACAC 2019」へ出席してきました。
先日初めてアメリカのケンタッキー州に行ってきました。目的地は、ケンタッキー州で最も大きい都市であるルイビル(Louisville)です。人口60万人で、アメリカの中でトップ30に入る大きめの都市ですが、サンフランシスコからの道中はここ最近のアメリカ国内旅行の中では最も小さな飛行機に乗ったりして、結構新鮮でした。
一番前の席を取ったのですが、ご覧のように、操縦室の入り口に座るフライトアテンダントと膝を付き合わせる感じです。飛行機からの景色もアメリカ大高原の絶景です。
空港を降りると、やっぱりこれがありました。普通のところにあるのとは趣が違います。あいにく味見はできませんでしたが。
世界的大規模!全米アメリカ大学入試カウンセリング学会「NACAC 2019」とは?
さて、今回ケンタッキー州にやってきたのは、「NACAC 2019」という学会に出席するためです。National Association for College Admission Counselingといって、全米大学入試カウンセリング協会といったところでしょうか。出席者は三千人程度、6割が高校からの出席者、3割が大学から、1割がフリーランスの大学入試カウンセラーといったところでしょうか。アメリカの入試ではカレッジカウンセリングが重要であるということを、「アメリカと日本の受験はどう違うのか?」という題で以前このブログにポストしました。(詳細はこちらをクリック)
このような学会が毎年大規模に行われていることもそのことを裏付けていると言えます。アメリカの大学入試カウンセリング関連の学会でも最も注目が注がれている学会で、アメリカ大学入試のトレンドを理解したり、アメリカの入試関連企業や、大学とネットワークを広げていくのに最適な学会です。日本の高校でもアメリカ留学に力を入れている、入れていきたい、といった学校は出席してみることをお勧めします。
当日のプログラムをご紹介
学会のフォーマットはいたってスタンダードで、基調講演や発表などが盛り沢山にあり、アメリカ大学入試の様々なトピックが網羅されています。大体の大まかなカテゴリーでいうと、以下のようなトピックが主な感じがします。
o 大学や高校でのダイバーシティーと入試。アメリカの大学では様々な形で、キャンパスでのダイバーシティーの問題に取り組んでいます。
o 入試とテクノロジー。Aiの入試選抜プロセスでの使用や、様々なデータ分析(Data Analytics)のツール、顧客管理システム(CRM)や、ソーシャルメディアを使った生徒のリクルート方法、など、大学側がテクノロジーを駆使して、人材集めにやっきになっています。
o アスリートと入試。これも常に注目される課題になっています。日本でいう、スポーツ推薦とはまた違った、きめ細やかなシステムがアメリカの大学には存在します。
o その他の大学入試のトレンド。人気のある大学と、そうでない大学の二極化や、どのような点が入試で重要視されるかなど、様々なトレンドが議論されます。
o 大学入試カウンセラーのためのトレーニング。奨学金のマネージメント、大学入試関連書類の書き方や、改善方法、などなど多岐にわたるトレーニングも用意されています。
o 他国の大学入試。今年はオーストラリア、アイルランド、イギリス、中国などに特化した発表がありました。海外に行きたい生徒をどのようにサポートしていくかということが議論されています。
昼の部も非常にためになりましたが、NACACは夜のレセプションが教育系の学会にしてはいい感じだということで評判です。生徒を集めたい大学側が、高校から集まる大学入試カウンセラーに自分の大学を紹介する良い機会なので、夜の間に多数のレセプションが開催されます。
左はアートギャラリーで行われたレセプションで、なかなかいいワインとオードブルが振舞われていました。右はもうちょっと夜も更けてきたときのレセプションで、ケンタッキーバーボンの博物館で、テイスティングをしながら大学の説明を聞きました。様々な大学となかなか良いネットワーキングの機会になりました。
マークザッカーバーグの姉による超目玉な基調講演をレポート
ちなみに今年のNACACの学会で一つの目玉となっていたのが、オープニングの基調講演でした。ランディ・ザッカーバーグが1時間ほど講演しました。そう、Facebookのマーク・ザッカーバーグのお姉さんです。私はこれがランディの講演を聞くのが2回目でした。まあ、しょうがないのかもしれませんが、最初の30分は前に聞いたものとほぼ一緒だったので、彼女の講演のテンプレートなのかもしれないなと思って聞いていました。
残りの30分は彼女が最近思う自分を売り込んでいくために意識すべき4か条。私はこれはそこそこ面白いと思いました。第一条は、みんながメディアであるということ。ソーシャルメディアや、様々な形でテクノロジーを駆使すれば、いろんな形で情報を発信していくことができます。
第2条はブランドが必要だということです。セルフブランディングをして、自分に固有の売りを世界に発信していかなくてはいけないということです。
第3条は、みんなにに見つかること。せっかくネットで情報を発信しても読んでもらわなくては意味がありません。これがとっても難しい部分であるとは思いますが、彼女なりに何点か、説明していました。例えば、今はブログのコンテンツが飽和しているので、ポッドキャストだとコンテンツが少ないからおすすめですよ。などなど。
第4条は息抜きをすること。息抜きをして、いつもの忙しい環境から自分を解放して、よりクリエイティブな考え方をできるようにする。現在では携帯などで、息抜きを強制するようないろんなアプリがあるなんて話をしていました。
最後はおきまりの歌で締めくくっていました。彼女はブロードウェイに立つのが夢で、最近その夢を叶えたそうです。
まあ、いいんじゃないかと、私は思っていたのですが、教育者たちの(私もですが)目線は厳しかったです。学会に関連する内容がほぼなかったことで、私の話したほとんどの人がランディの基調講演を否定的に感じていたようです。また、講演の途中でも、席を立つ人が収まらず、最初満員だった講演会場がおそらく最後には半分くらいになっていたような気もします。
夜のレセプションに参加している時に、学会の運営者から聞いたのですが、1時間喋って、400万円程度の講演料だったそうです。教育学会にしては結構な額なので、それだけお金を費やしたのに、あれではひどいということを言っていました。どうやら、ランディのホームページだと、通常講演一本1000万円で引き受けるという風になっているようですが、教育関係だから値下げをしておくということだったようです。なんかやっぱり、桁が違いますね。
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