テストを学びに最大利用する方法とは?
テストは様々な学びの場につきものです。今回はテストの元々の目的とは何かを考えてみることから始めてみましょう。
例えば、こんなところはどうでしょうか?
テストの目的は学習者の実力を測ること。
テストで自分の実力や理解度を知ることで、今後の学びにいかしていける。
また、国や地域で行われる標準学力テストや各団体が行う資格試験、各学校が行う入学試験なども、結局は、受ける生徒の学習到達度を測定することが目的でしょう。
しかし、ことに学力試験の現実はそうした目的に沿ってはいないようです。
例えば、アメリカの入試用の標準試験が、生徒の学力よりも、親の収入に強く相関していることが数々の調査で指摘されてきています。
また、そうした調査を待たずしても、ストレスや体調で試験の結果が大きく変わってきます。
生徒の本来もっている能力や実力が、テストの結果に表されていないと考える理由はいくつも存在するわけです。
「テストの点数は、どれだけテストに慣れているかの指標でしかない」などの見方も珍しくはありません。
つまり、テストの結果は、親の収入、ストレス、体調、テストへの慣れ具合などなど、生徒の学力や理解以外のものを表しているのです。
テストの本当の「意義」とは?
しかし、だからと言ってなんだというのでしょう。
「テストが学力を測るものでないことくらい知っている。」
「でも、結局世の中にテストがあるのは現実だ。」
「テストが何を測っていようが、テストを受けなくてはいけないことに変わりはない。ごもっともな意見です。」
しかし、学習におけるテストの本当の意義を理解することが、実は非常に重要なのです。
テストは自分の学力を「知るため」に効果的な道具でなく、自分の学力を『つけるため』に効果を最大限発揮する道具なのです。
テストを受けている時に、必ずなんらかの形でこれまで学んだことの記憶を呼び起こさなければなりませんが、これがテストの本当の効果と大きく関連しています。
というのも、「記憶の呼び出し」が非常に学習効果が高い行為であるということが最近の認知学研究で明らかになってきたのです。
例えば、アメリカのパーデュー大学の研究で、記憶を呼び起こす学習法と、それ以外の伝統的な学習法の効果を比較したものがあります。
生徒たちは以下の3つの異なる学習方法で同じテキスト学習します。
• テキストを繰り返し読む
• テキストを読みながら図解などを使いながらノートにまとめる
• テキストで読んだことを自分でテストしてみて読んだことの記憶を呼び起こす。
学習後の試験で、「記憶呼び起こし学習法」を使ったグループが格段に結果が良かったのです。
しかも、歴史の年号などのように記憶したものをそのまま思い出すという類のいわゆる暗記問題だけではなく、推論をしたり考える力を使わなくてはいけない問題でも同様の結果が見られたのです。
テストを最大限生かす「コツ」
というわけで、テストを実力を知る道具としてしかみなさないとすると、二重の意味で残念なことになります。
まず、第1に、結局テストでは実力を測れないので、実力を知るための道具として固執してしまうと残念な結果に繋がりかねません。
第2に、テストの1番の強みである、学習効果をいかすことに意識が向かないかもしれません。
テストは学びを評価する道具ではなくて、学びを生み出す道具だと見直した上で、テストを上手に使っていかなければいけません。
テストを自分の学習にうまく取り込むための4つのコツが、アメリカのバンダベルト大学の教育局の公式サイト で紹介されています。
以下を意識して、テストを学習に役立てられるように子供をサポートしましょう。
1. ちょくちょく何を学んだか思い出すテストをしてみる。
2. 学んだことを思い出しながらまとめる癖をつける。
3. 学ぶ前に、これから学ぶことの診断テストをする。
4. テストや思い出し練習が、長期的な記憶や学習効果の向上につながること知る。
どれも、今すぐにでも始めることができます。特に4は、今日にでも子供との会話の中で伝えてみたらいかがでしょうか?
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