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「手を使わず頭を使う」は間違え!指先が敏感な子供ほど「数学」が得意!?

教育

「13−6は?」

子供の算数の勉強のサポートをしています。すでに練習してきた問題の確認といったところです。

いつものように、こどもが指を使って何やら考えているようです。

「もうできるんだから、頭だけでできるようにしなさい。」

「うーん」

手を使わないで、しばらく考え込んでから、なんとか答えにたどり着いたようです。

「ほら、手を使わなくたってできちゃった。すごいね!」

ごく普通の微笑ましい学習風景です。

しかし、最近の「学びの科学」の結果によると、このやり方はやめた方がいいのかもしれません。

オンラインサロンでも詳しく紹介した、スタンフォード大学の教育学者ジョー・ボーラーの「Limitless Mind」からいくつか最新の結果を紹介します。

「指先の知覚度」と「数学的思考」の深い繋がり

まず、ガローデット大学のバーテレッティ博士とブース博士は、8歳から13歳の子供たちに、複雑な引き算の問題を出して、脳の活動を解析したところ、指先を使っていない時でも、指先の知覚をつかさどる領域の一部が活性化されていることがわかりました。

つまり、指先を使って数字を数えようと、手を見てないのに、引き算の問題を考えているときは、脳は指先を「見て」いるのです。

同様の結果がより高度な数学の問題でも見られるということです。

この研究を筆頭に指先と数学的思考の様々な研究が積み重ねられてきました。

そのため、脳科学者は私たちがどれだけ自分の指先を敏感に知覚しているか、つまり、「指先の知覚度」と数学的思考の深い繋がりに、注目しています。

ここで、私たちが自分の指先をどれほど良く認識できるか、テストをしてみましょう。

手をテーブルの下において、誰かに、どれかの指をさわってもらいます。指の感覚がいい人は、簡単にどの指が触られたかわかります。

もうちょっと難しいところで、指の先と腹で、2箇所違う指を触ってもらうというのもあります。

こうした指先の認知度と数学的思考に関する以下のような研究結果をジョー・ボーラーは紹介しています。

• 「指先の知覚度」のよい大学生は、計算テストの結果もよい。
• 小学1年生の子供の「指先の知覚度」は、計算テストの結果よりも、2年生になった時の算数の成績を表している。(「指先の知覚度」がいい方が、テストの成績がいいよりも、次の学年で成績が良い!)
• 音楽家の数学の成績が良いということが知られていましたが、現在では、指をよく使い、指の知覚度が高いということと関係があると考えられている。

文字通り、手を動かしながら算数を学んでいくことが大切なようですね。

手で数えたりするのをやめさせて、子供の自然な脳の動きを妨げてしまわないようにするのが大切です。

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